事業報告

平成28年度広告ビジネス講座

20160623_26月23日(木)、平成28年度の広告ビジネス講座が静岡市の「あざれあ」にて開催されました。本年度の講座は「サッカーを強くするのは、選手だけじゃないはずだ。」と題し、スポーツビジネスとしてのサッカーについて、株式会社電通 スポーツ局サッカー事業室 野中賢勝氏にご講演いただきました。

20160623_6今でこそ巷を賑わせる、さまざまな企業によるスポーツへのスポンサーシップですが、ほんの30年ほど前までは皆無に等しいものでありました。そんな当時、スポーツマーケティングについて研究していた電通が、当時のサッカー日本代表と、キリンビールの結びつきに目をつけ注力したところ、たちまちスタジアムは満員になったそうです。それをきっかけに、サッカーは「国民の関心ごとへ」と急成長するとともに、スポーツビジネスというジャンルも確立されていきました。

20160623_5講師の野中氏自身もサッカーに対する造詣が深く、学生時代はサッカーひと筋、電通内でもサッカー事業室開設直後、即配属を希望されたほど。興味深いエピソードとして、1998年のW杯で話題となった岡田監督のインタビュー時、後ろのバックパネルを支えていたのが野中氏だったそうです。テレビカメラの画角を考えずにロゴを大きくプリントしたため一部しか映らなかったそう。今日のインタビューで定番の市松模様スタイルは、この失敗が生きているとのことです。

20160623_1その後は、企業によるスポンサーシップの様々なメリットについてお話しいただきました。これからの時代、スポンサーシップは「パートナーシップ」へとそのつながり昇華させることで、スポーツ振興、ひいては社会貢献へと発展していく、と講演を締めくくられました。

 

20160623_3講座第2部では、かつて「20万ドルの左足」と称され、東京オリンピック、メキシコシティオリンピックで日本を沸かせた杉山隆一氏にご登壇いただき、当時のエピソード、日本サッカー界の今後について語っていただきました。

20160623_4現在は(一財)静岡県サッカー協会の副会長としてご活躍されている杉山氏ですが、今日のマニュアル指導にはやや憂いているとのこと。上手な選手が増え、総じてサッカーのレベルは上がったが、いわゆる「釜本氏」のような怪物が生まれなくなったとも。もっと指導者自身が個々のアイデアを持って指導に取り組み、個性的な選手を育てるべきと熱く語られました。
Jリーグに対しても大変貢献された杉山氏、特にジュビロ磐田の立ち上げには相当尽力されたそうです。年間13億円もの資金が必要なJ1チームにおいて、当時の磐田市、地域からはまったく協力を得られず、ヤマハの力のみが頼りだったと苦労を語られました。

最後に、当協会杉山理事長の無茶振りで現在のエスパルスに喝をいれてもらい、笑いに包まれながらビジネス講座は閉会いたしました。

今回もすばらしい企画、設営をいただいた廣住委員長をはじめとする研修委員会の皆様、誠にありがとうございました。

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